お墓とお墓参りの新しい未来

2015年10月4日日曜日

戯言

t f B! P L


お墓参り、行ってますか?

私は、行ってません。


最近、IOT(Internet of Things)に絡んで、Raspberry Piなどの格安コンピューターを使った電子工作がちょっとしたブームになっています。

電子工作といっても、子供の自由研究とはレベルが異なり、製品レベルのことが自由に出来るくらい本格的なものです。


例えば、人感センサー、そしてカメラとマイクをコンピューターに繋ぎ、これを墓石に設置。

お墓の前に立つ人が泣き出したと判定したら、「私のお墓の前で泣かないでください」と"千の風になって"が流れだすとかそんな感じです。


お墓、ネクスト・ジェネレーション。

そう遠くないちょっと先の未来の話。

週末のお墓は人で賑わっていた。そこへ親子連れの家族がにこやかに歩いてくる。

ある1つのお墓の前で、小さな男の子と一緒に数ステップの階段を登ってお墓と向き合った。


まもなくすると、花瓶の金属製筒から火花が散り、親子に銀テープが降り注いだ。
卒塔婆から花火がドーン。

墓石中央のスクリーンに、故人である老人が勢い良くステージ下から飛び出してきた。

「おじいちゃーーん!!」

小さな男の子は熱狂した。
老人は戦隊物のコスチュームに身をまとい、手にはそのキャラクターが使用する武器が握られていた。

「あー!ニンニンジャーだぁ!!おじいちゃんずるいぃい!僕も欲しいぃー!!」


スクリーンに写し出された老人は、生前に撮影し、3D化された故人のデータが用いられており、これを基礎となる人物データに適用され、自由に動き回り、喋るようにプログラムされている。

今放送している子供向けテレビ番組やニュースなどの話題は常にインターネットを介してアップデートされており、これを生前の故人の口癖などを交えて「対話」出来るため、あたかも故人が今、生きているような錯覚すら覚える。

そして、ニンニンジャーのコスチュームは、広告である。


お墓参りの風習は変わった。

はじめはインターネット上で不謹慎だと批判が上がったが、実際に導入した家族は絆が深まったと満足度が高く、リアルな世界では普及が始まっていた。
隣がすごいのにすれば我が家も。。という心理も働いているのかもしれないが。。。

お寺はこうした電子デバイスオプションの利用に伴って、データ接続などの中継として利用料を徴収し、
石材店はデバイス組み込みを行う代理店となり、衰退していくと思われた産業に再び日差しが当たり始めた。


人の死は悲しい。
しかし科学は諦めなかった。

それはなにより、人々の想いがそうさせたのである。全部嘘であるが。


Raspberry Piスターターパック (Pi2 用Standard)

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